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押さえておきたい主要なデザインアワード

Nami Yoshida
Senior Designer

日々クリエイティブに向き合う中で、Web以外にも、広告やプロダクトなど世の中にあふれるさまざまなデザインに触れることは、新しいアイデアのヒントになります。
中でもデザインアワードは、その年に評価された表現や時代性などを手軽にキャッチアップできる貴重なイベントです。
そこで本記事では、国内を中心とした主要なデザインアワードをジャンルごとにご紹介したいと思います。
併せて、受賞作の展示開催情報にも少し触れていきたいと思うので、今年の展示巡りやインプット計画の参考になると嬉しいです。

1. グラフィック部門

ADC賞

https://www.tokyoadc.com/new/

ADC賞は、東京アートディレクターズクラブが主催する、日本を代表するグラフィックデザインのアワードです。
広告やポスター、CI、エディトリアルなどを中心に、その年を象徴する優れたビジュアル表現やアートディレクションが選出されます。単なる美しさだけでなく、時代性や社会の空気感を捉えた独自性が重視される点も特徴です。

毎年秋(10〜11月)頃には、ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)にて『日本のアートディレクション展』が開催され、受賞作品の展示が行われます。今年の開催はまだ先になりますが、第一線の表現を体感できる貴重な機会なので、各分野のデザイナーにとって見逃せない展示のひとつだと思います。

JAGDA賞

https://www.jagda.or.jp/awards/category/

JAGDA賞は、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)が主催する、グラフィックデザインのアワードです。
先ほど紹介したADC賞がアートディレクションを軸に、グラフィックに限らず空間・映像・やインタラクティブなど幅広い表現を対象とするのに対し、JAGDA賞はポスターやロゴ、ブックデザインなどのグラフィックデザイン領域を中心としています。

受賞作は、年に一度発刊されるデザイン年鑑『Graphic Design in Japan』に収録され、その一部は毎年夏(6〜8月)頃、東京ミッドタウン・デザインハブにて展示されます。グラフィック作品の迫力ある展示など、空間全体でデザインを味わえるところが好きで、個人的にも毎年楽しみにしている展示です。

TokyoTDC賞

https://tokyotypedirectorsclub.org/

Tokyo TDC賞は、タイポグラフィと文字表現に特化したデザインアワードです。
日本国内に限らず、海外のデザイナー作品も多く選出される国際的な賞で、ポスターや広告をはじめ、ロゴ、パッケージ、Webなど、さまざまな媒体における文字表現が評価の対象となっています。単に文字の造形美を見るのではなく、言葉とビジュアルの関係性や、タイポグラフィが持つコンセプト性や完成度まで含めて評価されます。

受賞作・ノミネート作は翌年春(4〜5月)頃に、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)の『TDC展』にて展示されます。こちらも有名なアワードなので、展示も含めて要チェックです。

2. パッケージ部門

日本パッケージデザイン大賞

https://www.jpda.or.jp/award

日本パッケージデザイン大賞は、2年に一度開催されるパッケージデザインに特化したアワードです。
前回は2025年に表彰が行われ、見た目の美しさだけでなく、ブランドの伝わりやすさや売り場での存在感、使う人の体験までを含めて評価されます。食品・日用品・化粧品など、私たちの生活に身近なジャンルの作品が多く、眺めているだけでも楽しい作品ばかりです。
受賞作品は、『年鑑日本のパッケージデザイン』に収録されているので、気になる方はぜひ書籍でもチェックしてみてください。

3. 書籍部門

造本装幀コンクール

https://www.jbpa.or.jp/zohon/zohon-index.html

造本装幀コンクールは、書籍のデザインと製本技術を総合的に評価する、日本を代表するブックデザインのコンテストです。表紙の装幀をはじめ、印刷や製本に至るまで、本づくり全体の完成度を多角的な観点から審査し、優れた作品を表彰します。電子書籍ではなく、物理的な「紙の本」に特化している点が特徴です。
受賞作を見ていると、1冊の本の中に込められたユニークなアイデアや美しいビジュアルに目を奪われ、実物でも手にとってみたいなと思わせてくれる作品ばかりです。

4. WEB部門

Awwwards

https://www.awwwards.com/

Awwwardsは、世界中の優れたWebデザインを表彰する国際的なアワードで、革新性やUXの質が重視されているのが特徴です。デザイン40%、ユーザビリティ30%、クリエイティビティ20%、コンテンツ10%の評価基準で、技術力や革新性とユーザー体験のバランスが重要となります。
Webデザイナーであれば、新しいレイアウトやタイポグラフィなど、アイデアの参考として活用している方も多いのではないでしょうか。SOTY(1年で最も優れたサイト)の最終発表は2月末頃、もう間もなくです。

5. サービス・プロダクト部門

グッドデザイン賞

https://www.g-mark.org/

「Gマーク」でお馴染みのグッドデザイン賞は、デザイナー以外の方でも一度は耳にしたことがある、日本で最も有名で身近なデザイン賞のひとつではないでしょうか。
プロダクトやサービス、建築など、私たちの身の回りにある幅広いデザインが評価の対象となっています。

毎年11月頃には、東京ミッドタウンで『GOOD DESIGN EXHIBITION』が開催され、受賞したプロダクトを実際に見て体感することができます。デザインを身近に感じられる機会として、気軽に立ち寄りたい展示です。

iF Design Award

https://ifdesign.com/en/

iF Design Awardは、ドイツ発の国際的なデザイン賞で、レッドドットデザイン賞やIDEA賞と並ぶ世界三大デザイン賞のひとつとされています。プロダクト、パッケージ、コミュニケーション、サービス、建築、UX/UIなどジャンルは幅広く、見た目の美しさだけでなく、使いやすさ・アイデア・機能性まで含めて審査されます。

全受賞リストは公式サイトで閲覧可能で、2025年は最高賞にあたる「iF Gold Award」が75件選出されました。そのうち12件を、ソニーやパナソニックなどの日本の企業・プロジェクトが占めていることが、個人的にはとても印象的でした。

おわりに

1年の中で、これほど評価の高い新たなクリエイティブが生まれていると思うと、あらためて圧倒されます。
私自身も記事を書きながら、手に取ってみたいデザイン書籍や、早く行ってみたい展示が多く、うずうずしてきました。
受賞作はサイトや本で見て楽しむのも良いですし、もし足を運べる方は、展示会場で実物ならではのスケール感やディテールをぜひ体感してみてください。
ご覧いただき、ありがとうございました。