このデザインって何て名前?よく見るデザインスタイルの名称と歴史について

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こんにちは、アシスタントデザイナーの磯野です。
皆さんはデザイン探している中で、
「このデザインよく見るけどなんて名前なの?」
「こういうテイストのデザインを探したいけれど何て検索すればいいんだろう…」といった経験はありませんか。
今回はそんなよく見るデザインスタイルの名称と歴史について調べてまとめてみました!

スイススタイル

引用:Pinterest

スイススタイルは、1950年代にスイスで生まれ、ヨーロッパを中心に流行したデザインスタイルです。
グリッドシステムに基づいた秩序あるフォーマット、プレーンで機能的なサンセリフ体を使用した機能性があり合理的なデザインが特徴です。
現在のWebデザインの傾向である「フラットデザイン」(テクスチャ感や奥行きなどを排した平坦なデザイン)はこの「スイススタイル」がルーツであると言われています。

サイケデリック

引用:Pinterest

サイケデリックは、元々LSDなどのドラッグ服用時の幻覚症状や心理的感覚、またはそれらを想起させる美術や音楽のことです。
1960年代のヒッピー文化と結び付き、ムーブメントとなりレコードジャケットやポスター、ファッションなどのデザインを通して若者に流行しました。
原色や蛍光色の刺激的な色彩、複雑な幾何学的なパターン、溶融するテキストや画像が特徴的なデザインです。

メンフィス

引用:Pinterest

デザインを探しているとよく見る、「ビビッドな配色で三角・丸・四角などの図形がランダムに散らばったパターン」。
このデザインのルーツとなっているのは1981年にイタリアのエットレ・ソットサスを中心に結成したデザイン集団「メンフィス」が生み出した建築物や家具です。
メンフィスの機能を重視しない幾何学的でカラフルなスタイルは、それ以前の機能性を重視したシンプルで合理的なデザインへの反発でもありました。
80年代は先述した60年代のヒッピー文化がまだ残っており、反逆精神やカジュアルなスタイルが好まれていたため、ユーモアを持って新しい表現を模索したメンフィスは世界中に大きな衝撃を与えました。

サイバーパンク

引用:Pinterset

サイバーパンクは1980年代に流行したサイエンスフィクション(SF)のサブジャンルの一つで、テクノロジーや情報技術が発展した未来社会を舞台にした世界観が特徴的です。
80年代には、コンピュータ技術やテクノロジーが急速に進歩し、人々の生活に大きな影響を与えたため、科学への期待が高まりましたが、同時に急速に進歩するテクノロジーが人々に与える影響に対する不安や懸念もでてきました。その流れの中で生まれたのがサイバーパンクです。
そのため、サイバーパンクでは、テクノロジーが発展した近未来的な世界観の中に少し暗い雰囲気があります。
グリッチエフェクト(ゲームや動画などのバグが起こった際の画面や、アナログテレビで見られたノイズの乱れ)や黒や紺の暗いベースカラー、ネオン系の色味を使用することでそのような世界観を表現しています。

ヴェイパーウェイブ

引用:PInterest

ウェイパーウェイブは2010年代初頭にWeb上に誕生した「音楽ジャンル」が元となっています。
80年代〜90年代のムードを感じさせるポップ音楽やムード音楽をサンプリング、加工し再構築したものです。それが単なる音楽だけではなく、ファッションやアートにも派生していきました。
一昔前の3Dグラフィックス、初期のインターネットやビデオゲームのイメージなどのノスタルジックなイメージや意味不明な日本語を組み合わせたり、ビビットなカラーリングなどを用いているのが特徴的です。

まとめ

いかがだったでしょうか。
デザインスタイルが生まれた背景には、その時代の主流のデザインに対する反逆精神から生まれているものも多く興味深かったです!
また、名称を知っておくとデザインを言語化する際や参考を探す際に便利かと思います。
今回紹介したもの以外にも、まだまだ沢山のデザインスタイルが生まれているのでぜひ気になるものがあれば名称や歴史を調べてみてください♪

参考文献