制作会社と事業会社の違い

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Web業界で仕事したいと思ったとき、制作会社がいいのか事業会社がいいのか、悩まれる方は多いのではないでしょうか。

EVOWORXは今期で14年目となりますが、これまでWeb制作会社として受託制作をやってきました。
2020年4月にはじめて自社メディア「ワンコnowa」を立ち上げ、2021年7月にECサイトをリリース。ワンコnowaの専門部署を設けて本格指導を開始しました。
わたしもEVOWORXのフロントエンジニアとして、受託制作のコーディングを中心にやっていましたが、部署の設立を機に異動し、自社サービスの運用業務に軸を置くようになりました。

受託制作と自社サービスの運用ではどのようなことが違うのか、制作会社と事業会社で迷っている方のためにも、少しばかりではありますが、わたし個人の感想を述べようと思います。

会社によって得意・不得意分野も様々で方針もまったく違ってきます。あくまで一個人の経験と見解ですので、参考程度にご覧ください。

何をする会社なのか?

まず制作会社と事業会社が、それぞれ何をする会社なのか。

Web制作会社は、Webサイトをつくりたい、リニューアルしたいというクライアント(主に企業様や個人事業主様)から要望を受け、サイト制作を行います。

対して事業会社は、自分たちでサービスを企画して提供し、それを運用してアップデートを繰り返していきます。

売上とモチベーション

制作会社は案件がはじまる時点で、作業領域を明確化し、スケジュールと鑑みて見積もりが作成されます。それによって売上が決まってくるため、案件がはじまった時点で大凡の売上はわかった上で制作することになるかと思います。

事業会社は、売上の見込みなどは試算するものの、リリースしてはじめて実際の反響がわかり、ユーザーが購入することで売上が決まります。そのため試算通りに進められれば利益を得ることができますが、間違うと赤字になる可能性もあるかと思います。
その分、売上が伸びたときの喜びはひとしお、モチベーションにも直結します。もちろんその逆も然りですね。

ある意味では受託制作の方がメンタルは一定を保てるかもしれませんね。リリースしたあとの反響がよく、その結果が次の仕事にも繋がったときはとても喜ばしいです。

制作はお客さんの反応、事業は数字の伸びがわかりやすいモチベーションになるかと思います。

働き方

制作会社はクライアントが第一になるため、クライアントの状況次第ではスケジュールが急に変わるということも少なくありません。
今週は余裕持ってできるなぁと思ってた数時間後には、残業しないと…なんてなったこともありました。

事業会社は、誰かにスケジュールを左右されることはありませんが、どのタイミングでリリースするかによって効果が変わってくるため、それを見極める能力が必要とされ、ユーザーの分析や判断力が試されます。

制作会社は外部の影響を受けて体力勝負になるときもありますが、その分自分のやるべき領域ははっきりしている。事業会社は自分たちでペースを決められるが、結果を出すためには自主性が求められる。
どちらが大変でどちらが楽ということはなく、思考回路の使い方が異なり、「どこに自分が注力したいか」が重要視されるように思います。

わたし個人としては自分のペースを乱されることはとても苦手なので、事業会社の方が合ってるかなぁと思いますが、反対にクライアントからの要件の中で力を発揮したい、お客さんに喜んでもらえることがなにより嬉しい方は制作会社向きかもしれませんね。

実際の作業や必要なスキルでいうと、つくるものにはよりますが、どちらもそんなに変わらないのかなぁという気がします。

お客さんの対応

受託制作の中で直接やりとりする、自分たちが「お客さん」と呼ぶ人は、お仕事をいただいた企業さんになります。いわゆる「B to B」です。
対して事業会社、これはどのようなサービスを行っているかによっても異なりますが、「B to C」になることも多いかと思います。そうすると、お客さんはユーザーの方々になります。

わたしが「B to B」から「B to C」に変わり、お客さんが企業の方からユーザーや一般の方に変わって思ったことは、「ビジネス感が薄れた」ことです。

企業の方とのやりとりは、お互い連絡する時間は勤務時間中であり、スケジュール感覚もなんとなくお互いのことをわかっている感覚がありました。連絡ツールの幅はチャットツールなどが多くなり広がったものの、メールや電話がまだまだ主流かと思います。

しかしユーザーになると、人によってまったく異なります。これはあくまでワンコnowaの場合ですが、時間帯は特に関係なく、SNSのDMを使うことがほとんどです。よりフレキシブルな対応が求められるようになったと実感しています。
ビジネスメールというより友達とのLINEに近い感覚でもあるので、そちらの方が得意という方もいるかもしれませんが、仕事の連絡として使うとなかなか難しさを感じています。

まとめ

簡単にまとめてみると、

制作会社事業会社
お客さんB tot BB to C
制作物クライアントによる自分たちで考える
売上案件がはじまる時点で分かる結果次第
モチベーションお客さんの反応
波は少ない(※個人差あり)
数字
結果次第
スケジュールクライアントによる自分たちで考える
体力必要必要

あくまで個人の見解によるものなので、参考程度にしてください。
この記事読んだから、この会社にしたのに違ったんだけど!!!!!などは受け付けておりませんので、あらかじめご了承ください。自己分析と会社の見極めは大切に。